最新の一戸建て住宅事情

東京五輪の延期やテレワークに象徴される新しい生活様式の提唱など、日本社会が大きな変動の只中に立たされています。同時に地球環境問題や気候変動など従来から問題意識がもたれていた課題の解決にも取り組む必要に立たされている現実にも変わりはありません。このような最中にある日本の一戸建て住宅の最新事情はどのような動向を見せているのでしょうか。ハウスメーカーの一戸建て住宅を対象に、最新事情を御紹介します。

原油価格の暴落などの事情があるものの、やはり国産エネルギーに欠しい日本にあっては省エネルギー機能をもつ設備などがそろった一戸建て住宅への関心が高いようです。ハウスメーカーが展開するブランドシリーズのなかでも、エネルギー効率の高い性能をもつ一戸建て住宅を積極的に提供しているようです。具体的に住宅の省エネ性能に関するものでは、エコハウスや省エネ住宅などが従来から市場でも人気を集めていましたが、最近ではより省エネ性能を高めたり洗練させた、スマートハウスやZEHなども登場しています。なかでもエネルギー消費を実質0にするZEH(ゼロエネルギーハウス)は、各ハウスメーカーでも力を入れていて、高断熱性能と太陽光発電による”創エネ”なども組み合わせることでエネルギー消費を極力0に近づけるというものです。また家庭のエネルギー消費をコンピューター管理するスマートハウスに、IOT技術を導入した一戸建て住宅も登場しています。従来は太陽光発電システムなどはオプションの位置づけでしたが、これらの省エネ性能を意識した一戸建て住宅では、デフォルト仕様になりつつあるようです。

間取り図間取りについては従来同様2階建ての子どものいるファミリーを意識した一戸建て住宅が人気ですが、一部では平屋住宅の需要も喚起されつつあります。ハウスメーカーのなかにも、あえて平屋建てのブランドを展開していることもあります。リタイア組みがバリアフリー性能が高い点や、子どもの数が減少し、多くの間取りを必要としなくなったことなども平屋建ての人気が復活しつある理由のようです。このように住宅性能が向上したことから、坪当たりの単価の金額は上昇傾向にあります。建築資材の高騰なども影響し、住宅価格に反映されたことで、オール電化などの新築着工は鈍化しつつあるとの指摘もされているほどです。もっとも高齢化による中古市場の活性化や、資産緑地制度の終了などで住宅市場は飽和状態になり金額は下るとの見込みもあり、今後も注視する必要があります。

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